優しい上司は良い上司ではない【初めて部下を持ったらすること】

 スポーツチームには監督、マネージャー、コーチなど様々な役割を持った人たちがいます。私たちが働いている会社でも社長がいて、部長がいて、課長がいてとチームとして組織化されているはずです。会社においての上司は監督でもあり、マネージャーでもあり、コーチでもあったりするので、初めて部下を持つときはどのように接したらいいのか迷ったりすると思います。実は部下に対しての接し方を理解していない上司は結構多いです。部下が自分の力を発揮できるような環境を作る上手な接し方について話してみたいと思います。

初めて部下を持つことは、初心に帰るきっかけ

 働き始めて3年から5年ぐらい経つと”主任”などのポジションになり数名の部下を持つ方は少なくないですよね。働いてから上司の指示で動くことに慣れていると、いざ自分が上司となった時、どのように接していいのか迷うことがあると思います。基本はめっちゃ簡単です。新人だった時にしてくれて嬉しかったとこをしましょう。例えば一年目の時に嬉しいと思うのは・・・

1.出来ないことは何度聞かれても怒らないこと

2.自分の機嫌やモチベーションで言うことが変わらないこと

3.仕事を任せてくれること。(頼ってくれること)

などがあります。

 人間は出来てしまうと出来なかったことを忘れてしまい、出来ない人に対してイライラしたりします。部下ができたら一度初心に帰ってみましょう。

 新入社員の時の自分がどんな人に頼りたかったのかを思い出してみると、自分ができる理想の上司像が出来てきます。

優しい上司=いい上司ではない

優しい=いい人

という図式があります。
 友人関係であれば優しい人はいい人である。という図式はありえますが、仕事の上では必ずしも”優しい=いい上司”ではありません。会社で上司は部下の指導や教育も行う必要があります。ですので優しいだけでは、会社が意図している内容がしっかりと部下に落とし込むことができません。
 自分が指導する立場になると何をしていいのか見えなくなったりします。優しい感じでニコニコしながら自分の言うべきことを言うだけでは、”ヘラヘラしていて会社の指示しか言わない人”になってしまうのでいけません。

 上司と部下の関係だけでは、表面上の指示しか伝わりません。
 なぜそうゆうふうな指示なのか。その指示のもとで自分はどのように動けばいいのか、と言う指示の真理まで理解できるようにるには、人間としての信頼関係が一番大切な要素です。まずは信頼関係を築くように努めましょう。

上司=偉いわけではない

 昭和的な考えの方や古い考えの企業だとよくいらっしゃいます。”上司、先輩の言うことは絶対””人生の先輩の言うことは聞け”という考えな人。体育会系のノリに近いですね。人生の先駆者のお話なので確かに重要なこともあると思いますが、それも信頼関係ができて相手に対してのリスペクトがあってから成り立つ話です。普通は会って間も無い何も知らない先輩の言うことを無条件では聞けません。
 「部下は上司の言うことを聞くべきだ」と何も考えずに接している場合は、自分が嫌な先輩に成っていないか行動を振り返って考えて見ましょう。
 部下に話しを聞いてもらえない、部下に話が伝わらないのは、部下が悪い訳では無くあなた自身の行動に問題があります。リスペクトされないのは部下のせいでは無く貴方の人間性が理由です。自分を冷静に見つめ直し信頼関係を築く努力をしてみましょう。

信頼関係を築くには

 部下との信頼関係を築くためには一番大切なことは”聴くこと”です、めっちゃ簡単。これだけです。

 部下からの話を、椅子に踏ん反り返って聞いている人がいますがあれは典型的な間違いです。聴くことで大切なのは聴く”姿勢”です
 例えば、自分の子供が学校での出來事を楽しそうに話してくるときに踏ん反り返って聞きますか?普通は目線を合わせて「うん」「うん」「それでどうだった?」と聴きますよね。部下に対してだって同じです、子供と接するように話をしましょう。
 自分が何かを伝えたい場合、自分が伝える量の5倍は聴かないと相手に伝わるようにはなりません。まずは相手の話しを聴きまくり”聴き力”をつけるようにしましょう。

ちなみに部下が上司に期待していることは(エン・ジャパン調べ)

1位 自分の意見や考えに耳を傾けてるれる

2位 公平・公正に評価してくれる

3位 的確な判断をしてくれる

となっています。1位は自分の話を聴いてくれることです。
部下は真剣に聴いてくれることを望んでいることがわかります。

まずは聴く事

 有能な上司の秘訣は「部下とコミュニケーションを取ること」とどの本にも書いてあります。”コミュニケーション”って言葉がよくなくて、”コミュニケーション”を聞くとそこで思考停止になる場合もありますので注意してください。

ここでの具体的なコミュニケーションの行動は「聴く事」です。

「今日はどうだった?」「何か行き詰まっていることある?」「同期と遊びに行ったりしてる?」などなど。聴くことは多くあるはずです。

 自分の仕事が忙しいからと後回しせずに。部下優先で聴くようにしましょう。最初は戸惑うかもしれませんが、きっと話をしてくれます。一月ぐらい聴き続けることで部下の悩みや成長が見えてきます。

部下を育てる方法は、自分を磨くことです。

 部下が将来「私もリーダーになりたい!」「俺も部長になりたい!」と思ってもらうためには自分が仕事を楽しんでいないとダメです。忙しそうな上司を見て、「俺も忙しくなりたい!」なんて思わないものです。自分も仕事を楽しみ、部下の話を聴くことで悩みを共有し、同じチームとして共感して仕事通じて共に成長していく。部下を育てようと思うのではなく、共闘感を持って仕事に取り組むことで自ずと成長していきますし信頼関係も作れます。

信頼関係があれば叱ってもほめても良い

 叱る=怖い ほめる=優しい ではありません。最近はほめた方が伸びると言われていますが、一概にそうでもありません。命に関わるような場面で優しい言葉なんてかけれませんしっかりと注意しなければいけない場面はたくさんあります。

 この場合相手に言葉が届くかどうかは信頼関係が全てです。信頼関係がない上司に注意されたら

「うるせーな、普段気にしてないくせに」

と思いますが信頼関係があると

「私が気がつかないこと言ってもらって、ありがとうございます」

となります。同じ言葉でも相手に対しての届き方が変わります。

ほめる場合でも

「いつも笑顔で仕事してくれてありがとう」

と言っても信頼関係がない場合は

「機嫌がいいだけかな」

と思われます。信頼関係がある場合は

「いつも仕事してる様子を見てくれているんだな。気を抜かずに頑張ろう」

となるわけです。

上司としての目的は

上司としての目的は「部下を辞めさせることなく、仕事を共に進めて、会社の目標を達成すること」です。

 部下の話を「聴く」ことで簡単に達成できるようになります。ちなみにこれは家庭でも使えます。奥さんや旦那さんの話を聴くことで夫婦の関係も円満になりますよ。今から聴くことを意識して始めてみませんか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました