「デザートは食べない方がダイエットにはいいけど食べたい」
「禁煙するって断言したけど、吸いたい」
ダメだとわかっているけどついついやってしまう事ってありますよね。
実はこれはカリギュラ効果と言って心理現象なのです。
「絶対に見ないでね」と言われると見たくなるし
「絶対に触らないでね」と言われると触りたくなってしまうあれです。
カリギュラ効果とは
「〇〇してはダメ」のように物事を禁止されると逆に禁止された行動をとりたくなってしまう心理現象の事を言います。
人は何かを禁止されると、思考や言語が制限された状態になります。人は自由を奪われるとストレスを感じてしまうので、そのストレスへの反発が起こることとして、カリギュラ効果と言うものが現れるのです。
カリギュラ効果の活用方法
カリギュラ効果は人の心理現象を利用して行動を誘導することができてしまいます。そのためマーケティング手法などで活用されている事例が多くあります。
映画なんかのPRで
「絶対一人で見ないでください」
「心臓の弱い方は見ないで下さい」とか
WEB広告で
「お金に興味のない方はクリックしないでください」とか
ってありますよね。
あれはカリギュラ効果を狙ったものです。
飲食店のトイレで「いつも綺麗に利用していただきありがとうございます」と言う張り紙を見ることもあると思いますがあれもカリギュラ効果です。「トイレを汚さないでください」と書いても効果が薄いので逆に最初にお礼を述べているのです。
同様な例で、不法駐輪している自転車置き場に「自転車捨て場、自由にお持ち帰りください」と書いてある例もあります。
強烈ですが、従う以外になくなりますよね。このような活用方法もカリギュラ効果です。
カリギュラ効果で逆効果に
物事を禁止されたりするとストレスを感じて反発してしまうカリギュラ効果ですが、間違って使ってしまった場合。行動を促すばかりかむしろ逆効果になってしまうことがあるので注意が必要です。
例えば
「遊んでばかりいないで勉強しなさい」
「ゲームやYouTubeは１日１時間」
「絶対に内緒だから誰にも言わないでね」
などと言われても素直に従えなかった記憶。ありませんか？
これは誰でもなってしまう罠です。
本当に勉強して欲しいのなら他の行動を制限しない方法が良いでしょうし、絶対に内緒にして欲しい事情があるのなら初めから話をしない方がいいはずです。
恋愛なんかでも逆効果になる場面があります
「私以外の子と話をしないでね」
こんなことを言ってしまうと、相手の行動を制限してしまうことになるので、カリギュラ効果が働いて逆に多くの人と話をしたくなってしまうので気をつけましょう。
上手に使えば行動できるように
ダイエットが続かない人の場合は、ダイエットを始める時に「食べる量を減らそう」と言う目標を立ててしまいがちですが。この目標があることで「食べ物」に意識が向いてしまい、ついつい食べてしまう。と言うことが起こってしまいます。
「食べない」と決めたことが行動制限となってしまうのでもう少し緩い表現に変えて「なるべく食べる量を減らしてみよう」とか「週に一度は何を食べてもいいチートデイを作る代わりに、日々の食事を制限しよう」といった目標に変えてみましょう。
「食べない」と決めるより食べ物への執着が少なくなるはずです。
「禁煙」や「禁酒」なども同様です。「もう２度とタバコは吸わない」と決めてしまう事で自分にストレスが掛かってしまいカリギュラ効果で、普段以上に吸いたくなってしまうものです。タバコを全て捨てて禁煙に臨む人がいますがこれもカリギュラ効果で逆効果になってしまいます。
禁煙を成功させたい場合は、タバコを捨てずに視界に入るような状態にしておき、タバコを吸ったことによる具体的な健康被害や、将来に起きる不利益をイメージした方がタバコを吸う気が無くなります。完全に排除させるよりちょっと緩めに捉えた方が禁煙を成功させる確率が高くなります。
自分のパートナーの行動変容を促すのであれば、「ダイエット続いているの！？すごいね！綺麗になったよ。」と以前と比較して伝えたり「タバコの量が減っているなんて流石だね、有言実行だよね」など、事実をしっかりと見ておいて、きちんと伝えるようにしましょう。周りから見られている事で、承認欲求が満たされ、一人で行動するより何倍も行動力と持続力が上がります。
まとめ
カリギュラ効果は、人間としての心の動きから起きる現象です。自分で決めて実行するときでも「あ、これはカリギュラ効果だから私はいまストレスを感じているな」と自己理解を深める事で行動力を維持できるようになります。
普段何気なく見ている景色の中にもカリギュラ効果を利用しているものがたくさんあります。
自分の心理効果を上手に利用して行動を継続できる人間になりましょう！
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