ペットの値段が高くなったその原因と理由

 最近ペットを飼うためにペットショップに行ったら、自分が考えていた金額より高くなっていた。ってことないですか。

 「コロナ禍でペットの需要が増えた」と言う理由なのかと思ってました。実際にペット屋さんに聞いてみると実際にコロナ前に比べるとペットを迎える人は増えているようで、多い日ではコロナ前の倍ほど売れるようになった日もあるとのことでした。昨年は一人当たり10万円の給付もありましたのでそれを元手にぺットを飼うという人も少なくなかったんじゃないでしょうか。

ペットショップでの値段増加はどれぐらい?

 トイプードルではコロナ禍の前では100,000〜300,000円だったのが現在は250,000〜500,000円ほどになっています。ダックスフンドでは100,000〜200,000円だったのが200,000〜400,000円とこちらも価格は上がっています。高いお店だと500,000円近くの価格の場合もあります。個体によって差はあれど、倍ぐらいの値上がりです。他の犬種や猫でも同様な価格変動ですね。

価格上昇の原因はコロナによる需要増じゃなかった

 価格が上昇して一年以上経ちます、同様にコロナ禍が一年以上続いていて、そろそろ価格だって落ち着いてきてもいい頃ですよね。

でも、今も値段はあまり下がっていません。むしろ高くなっている感じです。なぜでしょう?
気になって調べてみたら、私たちの知らないところで数年で様々な変化が起こっていました。コロナによって外出制限されたから、ペット需要が増えて値段が上がったんだと思っていましたが、実はそれだけが価格高騰の原因ではないことがわかりました。

法改正によってブリーダーさんの規制が強化

動物愛護法が2021年6月から改正になるようです。

大まかな概要は

 ・子犬の引き渡し時期を現在の生後7週間から生後8週間以降へ変更

 ・繁殖施設の管理基準が明確になる

 ・繁殖施設のケージの大きさが大きくなる

 ・繁殖回数が一生のうちに6回までに制限される

 ・ブリーダー一人当たり、繁殖犬15頭、販売犬20頭の飼育制限が課せられる

などなどの大きな法改正があるようで、

さらに一年後の2022年6月からは、マイクロチップの装着・登録の義務化が追加されます

つまり、これらの法律が改正されることで

ブリーダーさん側では設備強化が必要になり飼育頭数が規制されることになります。

 法改正により、ブリーダーさん一人当たりの取り扱える頭数が限られ、そして繁殖回数も限られる。さらに飼育ケージも大きくする必要も出てくる。と言うことになります。

 ブリーダーさんの収入は「販売頭数×販売単価」でしょうから、今回の法改正により販売頭数が限られてきますし、繁殖回数の制限も明確になっているので販売頭数を無理に増やすことも不可能になります。さらに飼育ゲージを大きくするためにも、ケージを新しく作成する費用や土地が必要になる場合もあるでしょうから。費用的にも負担になってきます。

 ブリーダーさんが職業として繁殖を行うためには当然”販売価格”を上げないと生活できない。となるわけで、今の価格変動はこの先も続くものと思います。

法律改定の目的は動物保護

 営利目的で愛玩動物を大量に繁殖させて、「子犬工場(パピーミル)」になることを防ぐためです。なので動物目線では当然の法改正かと思います。日本だけではなく、世界的にもパピーミル撲滅の動きが続いていて日本もそれに続いていく流れですね。

 過去には日本でも不衛生な環境での飼育状態で動物愛護法違反で問われることはありましたが、罰せられることがあまりなく改善されていないという現状もあっての法改正であるとも言えます。

ペットショップで子犬や子猫の扱いがない国もある

 アメリカの一部の州やイギリスなどではペットショップでは子犬や子猫の販売はありません。ではどのようにしてペットを迎え入れるのかというと、ブリーダさんから直接引き取ったり、保護施設から引き取るのが一般的なんだそうです。しかも審査を受けてOKじゃないと引き渡しされないようです。
動物愛護というか、先のことをしっかり考えていないとペットはNGということですよね。

ペットの価格高騰は良いことばかりでは無い

 ペットの価格が高騰することは、子供たちが犬や猫を家庭に迎え入れて一緒に暮らすと言う機会を減らしてしまうことにもなるので、子供とペットが一緒に成長する機会が減ってしまう残念な面もあります。
しかし、売れれば良い、というお金目的だけで犬や猫を繁殖する悪質なブリーダーがある程度いたことも事実ですので、悪質なブリーダーを排除するためには必要な法改正だと感じます。
ただ、善良なブリーダーさんも煽りを受けてしまうことになってしまうので、この法改正に負けずに、頑張って欲しいです。

 高騰によってお気軽に飼う人は減るので、飽きたから捨てようとか飼育放棄するとかと言う人は減りますので、結果的にネグレクトを生まないための抑止効果になるのでしょう。

ペットは人生を楽しむためのパートナー

 犬も猫も、幸せな一生を歩めればいいなと思います。価格が高いから、低いからと言っても命の価値は何も変わりません。保護犬や保護猫を当たり前に引き取ることができたり、ブリーダーさんから直接迎え入れるような環境が整備されると、繁殖目的だけに飼育されて傷つけられ、不幸になる犬や猫が減っていきます。その時まではある程度の価格高とはやむなしということなのでしょう。

まとめ

という訳で、価格の高騰はしばらく続くと思います。もしかすると下がることはないのかもしれません。

ペットを飼うのは、楽しいことばかりではないですし、手間もかかります。ご飯だって散歩たってオシッコやウンチの世話もしなければなりません。家具だってガジガジ噛まれます。でも憎めない可愛さがあります。

 飼うときは一生見届ける”覚悟”をして飼いましょう。きっと幸せなワンちゃん猫ちゃんはあなたの人生も幸せにしてくれますよ

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