厳しく指導することが正しいと考えている人へ

 実際に私の周りにも厳しい指導が正しいと考えている人が結構居て驚きました。厳しい指導にはメリットがあるのか考えてみました。

厳しくされて伸びる人はそんなに多くいません

「叱られて伸びる人」っていうのは多くいません。一部では叱られた事を糧にして「負けてたまるか」と奮起する人がいるのかもしれません。ですので「叱られても伸びる人」は一定数いると思います。しかし、「叱られた事を気にせずにいられる人」はいません。多くの人は叱られると萎縮してしまい、元のパフォーマンスに戻るまでは時間が必要になります。しかも、元の状態に戻ったとしても叱られる前と後で本人の能力に違いは全くないので叱った分だけ、パフォーマンスの落ちて戻るまでの時間が必要になり「時間のロス」しか残らなくなります。

厳しく接することの意味

 人間は誰でもミスをします。生まれてからミスをして、そのミスを修正しながら成長します。立ち上がるのだって最初はうまくいきません、自転車だって最初から乗れた人はいません。人は何度も転んで成長していくのです。厳しく接することで伸びる要素はどこにあるのでしょう?あなたは赤ちゃんが転んだら厳しくしますか?自転車を練習している子供に厳しくしますか?厳しく接することにはなんの意味はありません。

 これを仕事に置き換えた場合に、仕事でのミスは本人がよくわかっています。理解していることに対して「何をやっているんだ!お前の失敗に俺は怒っているんだぞ!」と声を荒げられても意味なんて何もないですよね。言っている方は気持ちがいいのかもしれませんが、本人や周りの人は「うるせーな」「めんどくせーな」ぐらいしか受け止められません。

厳しく接することしかできない人

 「パワハラ育ち」って聞いたことありますか?新人時代に上司から仕事を教わるときに暴言や暴力を受けて育ってきていて、今は管理職やトップ営業マンの地位にいるような人達で、パワハラ上司の指導のおかげで現在の地位があると考えている人達です。「自分は先輩にたくさん叱られて成長した」と過去を美化して認識しているのです。本来であれば叱られた原因を明確化して再発防止に勤めることにより、業務が効率化されていき次に叱られる人がいなくなっていくのですが、厳しくすることに意義があると勘違いしている人はそれらの作業の一切を否定して、怒り出してその自分の怒りが正しいことだと勘違いしているのです。

育てられる方が求めているのは「優しく指導する上司」

 最近の新入社員の意識調査では理想の上司像は「優しく指導する上司」です。「厳しくしてほしい」と望んでいる人はいません。相手の成長を本当に望むのであれば、相手が希望している通りに優しく指導する方が飲み込みも早く、結果も早く出るようになります。「部活中に水を飲むな」「先輩の言うことは絶対」という昔の体育会系ノリの厳しくされる中で育った人は残念かもしれませんが。その指導法は時代遅れと言わざるを得ません。厳しい先輩=できる先輩という図式ではなく、優しく指導してくれる先輩=尊敬出来る先輩となります。

ほめて育てる

 ほめて育てると言われると「そんなこと言えない」「出来て居ないのにほめられない」という話があがります。ほめて育てるの「ほめる」はおだてたり出来て居ないのにヨイショをすることでもありません。この場合の「ほめる」はあくまでも中立的な立場で、客観的に出来たことを伝えるということです。イメージとしては、ほめるよりは承認に近いです。

「ブロジェクトしっかりと進んでいるね」とか「もう少しだね」とか、今できている事を認めてあげるだけで、モチベーションは上がっていきます。

マラソンの伴走のイメージで常に隣で見ていてあげることです。ほめなくても見ていてあげることが大切です。

 この常に見られている、見てくれているという感覚が持てるようになると信頼関係が構築されてきます。見てあげるということは相手を『承認』していることになるのです。

叱ることは大切

 部下との信頼関係ができたら初めて「叱る」ことができるようになります。普段見て居てくれている先輩に「お前だったらやれるよ」と言われたら出来るような気になりますが、が普段見向きもしてくれない先輩に同じ言葉をかけられても「何にもわかってないくせに偉そうに!」となります、この違いは信頼関係によって起こります。信頼関係ができて居ない人から何を言われても響きません。叱るにも信頼関係は必要です。

 叱ることが全てNGではありません。怪我や命の危険があるときは当然叱りますし、そうしなければなりません。しかし、信頼関係ができている状態で叱られると叱られたことにすら感謝してくれるようになり「先輩が俺のこと心配してくれている」となります。

まとめ

 厳しくしないと育たないは、あり得ません。厳しく指導することのデメリットの方が多いです。実際には自分の威厳のために厳しく指導し、話しかけられないように怒っている人がほとんどですし、自分の行動や伝えるべき仕事を言語化できていない事を悟られないように厳しい雰囲気を出して抑圧している場合が多いです。 
 何も指導せずに「見て覚えろ」と厳しく接する上司か、指導を具体化して「いいね!その調子で行こう」とほめて育てる上司か、どちらの成長が早いでしょうか?そしてどちらの上司のほうが新しいアイデアが出てくる環境でしょうか。私たちは「ほめて伸ばせる上司」を目指したいものですね。

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