お客様第一主義を勘違いしている人が結構多い【勘違い】

会社の経営理念に「顧客第一」とか「お客様第一」とか掲げている企業って結構ありますよね。

顧客第一主義が悪いとは思いませんし、ビジネスをする上での真理であると思います。

そもそも、お客様がいないと商売は成立すらしません。売る相手がいないのですから。

 この顧客優先の考え方は、日本の企業の8〜9割の企業で社是や経営理念に採用されていて、しかも結構な割合で勘違いされている人がいます、しっかりと理解して仕事をしている人は全体の3割ぐらいと言われています。課長や部長などの要職についていても実は顧客満足を理解していない人が結構いるんです。

本当の意味での「顧客第一主義」を考えていきましょう。

顧客第一主義は世界標準

世界的な企業でもお客様第一を掲げている企業は多くあります。

Amazonの経営理念は「地球上で最もお客様を大切にする企業」ですを掲げていますし

創業者のジェフ・ベゾスの理念は「顧客は常に正しい」です。

Googleも「ユーザーファースト」を掲げています。

世界的企業が顧客第一主義を採用していますので、この考え方は間違っていないようです。では私たちはどこからおかしく捉えるようになったのでしょうか。

日本企業の顧客第一の考え方

 日本での売り上げの考え方は「単価×数量」です。言い換えると「客一人当たりの単価×客数」となりますがアマゾンの考え方はこの考え方に加えてライフタイムバリューという考え方が加わります。
 日本での売り上げカウントは「客一人当たりの単価×客数」ですので1ヶ月に3回買い物をした場合、客数は3人と考えます。
 売り上げを増やすためには客数をどのように増やすか、が議論となります。

Amazonの考え方

 アマゾンの考え方は「ライフタイムバリュー×アクティブユーザー数」です。

 「ライフタイムバリュー」とは一人の顧客が特定の企業やブランドとの取引を一生のうちにどれぐらい行うか、どれぐらいの利益をもたらすかを計算したものです。

「アクティブユーザー」とは活動頻度が高いユーザーで、ここではお店の利用頻度の高いユーザーを指します。一人のお客さんが1ヶ月に3回買い物をしても、客数は1人です。アマゾンでは売り上げを上げるためには「アクティブユーザー」をどのように育てるか、そして「ライフタイムバリュー」をいかに高めるかが売り上げを上げるための鍵となります。そのため従業員は「お客様のためになるか。ならないか」の二択で動いています。

Googleの考え方

Googleの考え方は「ユーザーファースト」です。創業時からずーっとこの理念を実践しています。

「ユーザーファースト」はそのまま。”ユーザー第一””ユーザー優先”という意味です、お客様第一と同じ意味だと理解していいと思います。「ユーザーファースト」の捉え方は、ユーザーから望まれている事を叶えるだけではなく、ユーザー自身が気がついていないことについてを率先して考えサービスを提供すること。

 Googleの検索エンジンは、ユーザーの意図を正確に把握し、ユーザーのニーズにピッタリと一致するものを返すことを目指しています。ですので特定の企業を優位にしたり検索結果を操作することはしません。もし特定企業に優位な働きをしてしまったら信頼性が落ちてしまい。ユーザーが離れてしまうkらです。

お客様は神様ですと言う客は疫病神

 ちょっと前までは「お客様は神様です」という言葉があったからかもしれません。お金を支払うお客様が絶対で、商売をしているお店や店員さんは奴隷のように考えている人がいます。よく炎上している、お客さんが店員に土下座を強要したりしているのも、この勘違いが根底にあるからです。

「お客様は神様です」の元ネタは三波春夫がよく使っていたフレーズです。三波春夫さん本人もオフィシャルサイトで「お客様は神様です」の真意に触れていますが『歌う時に雑念を払ってまっさらな、澄み切った心で歌わなければ完璧な藝を見せることができないため』と自分を律するための言葉なのです。

「お客様は神様です」と自ら言っている客は、言葉の意味を勘違いしている”疫病神”でしかありません。

顧客第一主義の間違った捉え方

 顧客第一を言葉のまま捉える人は、お客さんからの無理難題を「お客さんのニーズ」だと勘違いして、我が社にできることは全て全力で対応しようと考えます。もちろん従業員に残業させてもお構いなしです。

 お客さんからのオーダーをもらった通りに対応しますし、できないことも出来ないと言いません。言いなりに対応していることに何の疑いすら持ちません。

 自分や社員・部下に対しても、お客様のためだから当然、と間違いにすら気がつかないことが多いです。

顧客第一主義の正しい捉え方

 顧客第一主義は、お客さんの本当は何に困っているのか、を考え抜き「顧客満足度を上げ続けること」です。お客さんの目先の要望に応えることだけではありません。その奥の本当のニーズを見つけることが顧客第一主義です。

 マクドナルドでお客様製品アンケートを取ったところ、野菜の多く入ったヘルシーなメニューが望まれていました。そこで「サラダマック」を実際に販売したところ大失敗、その次に販売した「メガマック」が大ヒットしたという話も実際にあります。顧客の本当に望むものはアンケートにすら出てこないという例です。

 人間の思考は気まぐれです、アンケートを回答した人の頭の中では、『マクドナルドであれば顧客はこう答えるべきだ。』という考えがアンケートを間違った方向へ回答させたのでしょう。

まとめ

 本当の顧客第一主義は人間の気まぐれな行動までも予想し、本当に痒い所に手が届く製品やサービスの提供を実現させることにあります。

 「お客さんが今まで気が付いていなかった願望や価値を見つけること」

やはりこれはビジネスの基本ですから、真意をしっかりと抑えて考えていきたいですね。

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