最近よく聞くSaaSとMaaSとは

 仕事をしていると新しい言葉がどんどん出てきますよね。ビジネス用語は横文字が多いですがこれもその中の一つです。一見何のことを言っているのか不明な4文字ですが、意味がわかれば怖くないです。今回はSaaSとMaaS。最近よく聞くけどどんな意味か見てみましょう。

SaaSとは

 SaaSとは「Software as a Service」の頭文字を取った略称です。”サース”または”サーズ”です。
2018年から多くのスタートアップ企業がSaaSに参入してきてその言葉が一般化してきました。

 SaaSはソフトウエアを利用者のPCに導入するのではなく、提供者が持っているソフトウエアをインターネットを通じて利用者がアクセスし、サービスを利用する形式のことを言います。

 Googleの提供するメールサービスや、スプレッドシート。名刺管理ソフトのsansanなんかがあります。Evernoteなんかのメモ帳もそうですね。

SaaSはソフトをインストールする必要がない

 インターネットが普及する前は、パッケージ型のソフトウエアが普通でした。CDーROMのソフトを買ってきて、PCへプロダクトキーを入力してインストールするのがソフトウエアの利用方法でした。インターネットが普及した現代はインターネット上でソフトが動く様になりました。SaaSはインターネット経由で提供されているソフトなので、インストールする手間が不要で一つの端末でしか利用できないということはありません。

SaaSはPCのメモリ不要

 SaaSはソフトウエアとそれに付随するデータを格納するサービスも含めてインターネット上で提供されています。その為ソフトウエアとそのデータを保管するためのメモリが不要です。インターネットに接続できてある程度動けばいいので、高価なハイスペックPCは必要としません。

SaaSは異なるデバイス間で利用できる

 WindowsPCや携帯、タブレット、Macなどあらゆる端末から操作することができます。
利用者はアカウントとパスワードで把握するので、会社のPCで作業していた内容の間違いに気がついて自宅のタブレットで修正、なんてことも可能になります。

ソフトを同時に複数の人で作業できる

 パッケージ型のソフトウエアの時代は一つのファイルを確認するときには、メールに添付して送信して、先方で編集して返送してもうという編集方法をとっていましたが、タイムラグが大きく修正のたびに送り直す必要があり業務が煩雑になりがちで、同時作業はできませんでした。
 SaaSではインターネット経由で同時に複数人が編集する事が可能なので、タイムラグがない同時作業が可能になりました。

SaaSのデメリット

 SaaSで提供されるソフトウエアはインターネット上で動くようになっており汎用性が高い様に作られています、そのためにソフトウエアのカスタマイズできる自由度が高くない、というデメリットがあります。とはいえ自由度の高い自社開発では開発コストが膨大にかかってしまうので、実際は比較的安価なSaaSでの運用が選ばれています。

MaaSとは

MaaSとは「Mobility as a service」の頭文字を取った略称です”マーズ”です。
直訳するとサービスとしてのモビリティということになります。モビリティとは「移動性」「動きやすさ」の意味ですので「サービスとしての移動手段」です。

 私たちは移動する時は自分で電車の時刻表を調べて、バスに乗ったりタクシーを手配して移動して交通サービスを利用していますがMaaSを導入することにより移動手段ごとに違うサービスを一つの方法で完結させることができる様になります。

MaaSのメリット

「移動」を一つのサービスにすることによって、利便性の大幅な向上が期待されています。

 2015年のITS世界会議で設立された「MaaS Alliance」は”自家用車に代わる交通手段を提供すること”を目的の一つとしており、この目的を実現することで、人々の移動の効率化、都市部の渋滞の緩和、それに伴うCO2排出量の削減、過疎地や高齢者などの交通困難地域の交通手段の確保などが行える様になり。人々の移動の選択肢が拡大するメリットが見込まれています。

MaaSの進捗

MaaSはレベル0からレベル4まで定義されていて

レベル0:統合なし
レベル1:情報の統合
レベル2:予約決済の統合
レベル3:サービス提供の統合
レベル4:政策の統合

となっています。
 残念ながら日本は現在レベル1の状態で、情報の統合はできていますが、交通機関が様々な企業で運営されている影響もありそれ以上の統合は進んでいません。今後の進捗が期待されています。
 ちなみに、MaaSの先進国はフィンランドで現在はレベル3。「Whim(ウィム)」というサービスがあり、公共交通機関をはじめタクシーや鉄道、カーシェアリング、ライドシェアリング、レンタルサイクルなど、多くの移動集団を集約して統括し、アプリで目的地を設定すると経路を自動設定しそれと同時に移動手段も提案してくれる状態なんだそうです。

MaaSの今後

 日本は現時点ではレベル1ですが、Suicaなどの交通系のICカードやアプリは普及しています。首都圏では各事業者の連携が上手くいけばレベル2の実現は遠くないと言われています。
 高齢化が進む日本なのでMaaSが早く進み、みんなが自由に移動できる社会が実現できたら、さらに暮らしやすい世の中になるのではないでしょうか。

SaaSとMaaS

ビジネスをしているとよく聞く二つを解説しましたが頭の一文字を変えて”aaS”は結構多くあります。
この”〇〇 as a Service”サービスとしての〇〇はこの他にも多くありますし、今後も多くの言葉が出てくると思います。

それだけサービスの変化が激しいということなのでしょうね。

SaaSはソフトのサービス、MaaSは移動のサービス、ということで全く違う意味ですが、皆さんの仕事でも将来は必ず関わってきますので、これらの言葉の意味は理解しておくと損はないのではないでしょうか。

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