会社にいる「怒りっぽい人」を理解する方法【無知の知】

 他人に怒られてストレスを感じたことってありませんか?自分には関係ないことだと思っていたのに、怒りの矛先が突然こちらに向かってきて戸惑ってしまったり。

 仕事などで人と多く関わることが多い職場の場合は、自分がじゃない誰かの「怒り」の感情に対応することが必要になります。

 特にその相手が「上司」や「同僚」の場合は適切に対応しないと、あとで大変なことになりますので怒りっぽい人の対応方法を理解しておきましょう。

怒りは実は二次感情

”喜怒哀楽”という言葉があるので”怒り”は一次感情っぽく見えますよね。人の最初の感情だと考えがちですが、実はそうではなく”怒り”は二次感情だと言われています。

一次感情とは落胆・心配・悲しみ・傷つき・寂しさなどのネガティブな感情を指します。

「怒り」はこの一次感情が処理しきれなくなって現れる二次感情です。

 例えば「約束の時間に来てくれなかった」場合は約束を破られた「落胆の感情」が最初の感情としてあるのですが、その落胆が処理しきれなくて「怒り」に変わるのです。 

 職場の場合は「今月の目標を達成します」という約束を破られた時も同様に「落胆」が最初に来てその後に怒りの感情になります。

 自分が怒りの特性を理解している上司だった場合はたとえ目標を達成していなくても
「目標を達成してもらえなくて、期待していたのに残念だ」
と伝えることで怒りを抑えることができます。
ですが他人の場合はそれもできませんので「怒り」になってしまうのです。

怒りに変わるポイント

 普段の生活で「こうあるべき」という考え方が強い人がいます。その場合は自分の思い描いている価値観や期待、願いなどの通りに物事が進まないとそれが怒りに変わります。

 困ったことに、本人はそれが当たり前だと信じで疑わないので「当たり前のことを実行してもらえなかった」と感じ、自分の期待を裏切ったと感じて怒りとなります。

 普段から自分自身に「譲れない価値観」が多くある人は、当然怒りの発生する可能性のあるポイントが増えてしまいます。

例えば

・時間は守るべき

・先輩の話を後輩は聞くべき

・部下は上司の指示を受けて働くべき

・仕事は会社でするべき

・仕事の後には部下は上司と飲みに行くべき

などなど

「そうあるべき」と考えていたことが、その通りにならなかった「落胆・心配・傷つき・寂しさ」などの感情が怒りに変化するのです。

他人の怒りはスルーが基本

 自分自身の怒りについては自分で対応できますが、自分以外の「他人」についてはどうすることもできません。

 職場の上司などから怒りをぶつけられた時は、こちらに反論すべきことがあろうとも一度受け止めておいた方が無難です。話の途中でこちらの意見を言うと口答えしていると勘違いされる可能性もありますので甘んじて受け入れましょう。

 受け取り方で一番やっていけないのは言い返してしまうことです。相手とツノとツノとを合わせてしまうと怒りが爆発して最悪な状況になってしまいます。

ポイントはたとえ上司だとしても同じ土俵に立たないで、「怒っているな〜損しているのに・・・」と冷静に対応することです。

相手が話終わってからが自分のターン

相手の怒りを一通り吐き出してからが、こちらのターンです。

上司が相手の場合

 怒りの一次感情に寄り添うように反省の弁を述べることが良いでしょう。怒るということはあなたに期待してくれていることの裏返しでもあります。

 怒りが収まらない場合は、自分の対応が「でも」「だって」「どうせ」などの否定的に言葉で言い訳を繰り返して怒りを助長させていることがないかも振り返ってみてください。

 怒りに心当たりがない場合や理不尽に怒っている場合、単なる八つ当たりだった場合は無視するようにしましょう。

同僚が相手の場合

「短期は損気」という言葉があるように、気が短い人がどれほど損をするかを伝えるようにしましょう。

 普通に考えて「常に感情的に怒りを表す人」と将来にわたって人間関係を構築しようとは考えません。同僚との信頼関係を失い、取引先との信頼関係を壊し、恋人や家族も悪い気分にさせてしまいます。

 健康面からも「怒り」がもたらすストレスにより、心臓病や高血圧などの様々な病気の原因になってしまいます。

自分勝手に怒ることは誰に対してもプラスになることがありません。

まとめ

怒りっぽい人は、自分の一次感情が理解出来ていませんし、怒りのメカニズムを調べたりもしていません。

でも、怒りの原因が寂しさや悲しさだと知ると、怒っている人がちょっとだけ可愛く見えませんか?

ソクラテスは哲学の父と言われる人ですが、「無知の知」という言葉を残しています。

怒りっぽい人を側からただ見ているだけで嫌な気分になっている周囲の一人でいるよりも、怒りっぽい人の想定内に入ることができれば解決に向けての方向性は定まったと言えるのではないでしょうか

怒りっぽい人を治すことはできません。人をコントロールすることは不可能です。

「怒っている人」は「周りの人の事を想像できない」という無知から怒り続けているのです。

あなたがそこに気がついて居るのなら、怒っている人の立場に寄り添って、相手の考え方を知ってあげることで怒りは収まるかもしれません。

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