メンバーの意見を尊重してくれるリーダーって、仕事がデキる上司というイメージを持ちますよね。でも意見を聞きすぎてしまうと思わぬ落とし穴があったりします。もちろんチームメンバーの意見を聞くことは必要ですしとても重要なことの一つです。しかしチームの方向性を決定するのはリーダーです。意見を聞き過ぎるあまり曖昧な判断になっていること、ありませんか?
リーダーの役割は方向を定めること
組織を牽引するリーダーのすることは、チームの方向を定めることと、それを周知することです。
組織を構築する上では信頼関係は最重要なことの一つです。メンバーとの信頼関係を築くために一人ひとりと向き合い意見をしっかり聞くことはとても重要ですが、ここで注意が必要です。意見は聞くけど聞いた意見全てに回答することはありません。優しい人ほど「せっかく言ってくれたのだから改善しよう」と考えてしまいます。
意見を聞くのはコミュニケーションの一つの手段でしかありません。メンバーの意見を聞くのと同時に、リーダーとしての自分の人格も理解してもらうようにしましょう。全ての人のリクエストに応えることなんてできません。答えることができない理由もしっかり伝えて意見の交換をして人間関係を構築していきましょう。
ノイジーマイノリティ
皆さんはノイジーマイノリティ(noisy minority)って聞いたことがありますか?ノイジーマイノリティ=「うるさい少数派」の意味で使われています、そのままですね。
SNSなどで過激な言葉で書き込みをしていたり誹謗中傷していたりする行為をするのは、その記事を見た人の5%程度だと言われています。95%の人は書き込みもせずにスルーしているのですが、そこにわざわざ書き込みをして騒ぎを大きくするのがノイジーマイノリティと言われる人たちです。
理論的な裏付けも乏しく声が大きいだけのわずか数%の人の書き込みなのに、声高に騒ぎ立てるので、いかにもその記事が炎上しているように見えてしまい。まるでそれが世間一般の人々の意見であるように受け止められてしまうのです。
芸能人の不倫のニュースやゴシップ記事なんかがそのいい例ではないでしょうか。私たちには関係のないどうでも良い記事なのに、正義感を振りかざすような書き込みをして炎上させるので、まるで一般的な意見のようにテレビのニュースなどで取り扱われてしまうわけです。
サイレントマジョリティ
ノイジーマイノリティの反対語として使われています。サイレントマジョリティ(silent majority)「静かな多数派」これもそのままですね。積極的に発言することはない大多数の人々のことを指します。SNSやニュースを見ても「イチイチ書き込みなんてしないよね」と考えるのがサイレントマジョリティです。
よく企業などがノイジーマイノリティの意見に耳を傾けて運営して、声を上げない大多数のサイレントマジョリティが離れていき会社が危機に瀕するなんて言うことが起こります。
会社の中の場合もノイジーマイノリティの社員がさも当たり前のように意見を声高に言うので、その意見が注目され、サイレントマジョリティの意見がスルーされるなんて言う事も起きてしまうのです。
リーダーが向き合うのはマジョリティ
多くの企業は売り上げを上げるために狙うターゲットはマジョリティ側ですし、組織のメンバーが気持ちよく働く環境を整えるのであればマジョリティ側の意見を取り入れた方が早く実現できます。
リーダーは声高に騒ぎ立てるマイノリティを押し退けて物言わぬ多数者の意見をしっかりと聞かなければならないのです。優しいリーダーは声高の意見を聞きがちになりますし、まともに相手をしてしまいます。しかし少数派に時間を使っている余裕ありません。リーダーはノイジーマイノリティを押さえつけ、かつサイレントマジョリティの意見をしっかりと拾い上げる工夫をする必要があります。
サイレントマジョリティの意見の聞き方
サイレントマジョリティは「そんなことは当たり前」と考えていることなのでいちいち声に出して意見を言うことがありません。そのためどんな正しい意見でもノイジーマイノリティに圧で負けてしまうことがあるのです。
そこを正すのはリーダーの役割です。メンバーの行動や言葉使いを普段から観察しておくことが大切です。メンバーの変化に気がつくことで
「何か困ったこと起きているよね、相談に乗るよ」
「いつもより仕事が進んでないけどなんかトラブルあった?私でよければ話聞くよ」
と意見を聞くきっかけができるのです。
リーダーとして大切なことは意見を聞く事も大切ですが、その意見の中に隠れている本質を見抜く力です
その力を磨くためにはメンバーを普段からしっかり見ていることなのです。
ノイジーマイノリティの意見に惑わされないように注意しましょうね。
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