金融機関との付き合い方【中小企業・スタートアップ】

 会社を経営していく上では金融機関との取引は多かれ少なかれ発生します、会社の成長とともに投資することも増えます。投資するときは自己資本だけではなく外部資本も投じて経営を進めていくことがは少なくありません。そして、外部資本は金融機関からの借入が一般的です。

今回は経営者や経理担当者が避けて通れない金融機関との付き合い方について考えていきます。

 金融機関と聞くと「敷居が高い」とか、「門前払いされそう」とか考えてしまう人もいるかもしれませんが、全然そんなことはありません。中小企業などの場合は少なくても2〜3行と付き合っていた方が事業展開がスムースになりますので、最初は複数の銀行に口座を開設してまずは接点を持つことから初めてみましょう。

どのような金融機関と付き合えばいい?

 金融機関といってもメガバンクから信用金庫まで様々な銀行があります。まずは自分の事業規模と同じぐらいの規模感があっている金融機関とお付き合いするようにしましょう。

 メガバンクがメインバンクです。というのは格好いいのかもしれませんが、メガバンクが社歴の浅い企業とお付き合いすることはありませんし、今はどこの銀行がメインでもあまり業績に関係することはありません。

 まずは地域に根付いているような地方銀行や信用金庫・信用組合からお付き合いすることをお勧めします。信金や組合は地域経済の発展の為に設立していることもあり社歴の浅い企業でも親身になって聞いてくれます。
 政府系の金融機関の国民生活事業なんかもスタートアップ企業や小規模事業者の経営を後押しする事を業務としています。信用金庫や国民生活事業は融資額も小さく300万円〜1000万円ぐらいの取扱いが多いです。

 融資金額で考えていくと、もう少し取扱い金額が大きくなると第一地方銀行と言われる地域の金融機関が取引先になってきます。融資金額も3000万円〜5000万円とだいぶ大きくなってきます。

 メガバンクでは取扱い金額は1億円以上が多くなりますので、スタートアップ企業がお付き合いするとなると、なかなか難しいですね。

 創業から10年目ぐらいまでは政府系の金融機関と信用金庫や信用組合、それと第一地銀あたりとお付き合いするのが一番バランスがいいです。政府系の金融機関の場合は利息も非常に低く設定されていますのでまずは政府系の金融機関を訪ねてみる事をお勧めします。各県の県庁所在地には必ずありますし。

金融機関との取引は、まずは口座を作成することからスタートし、営業担当を紹介してもらうことで取引が始まっていきます。

どのような話をすればいい?

 「金融機関とは預金ぐらいでしか取引がないから何を話していいのかわからない」ということもありますよね。

 実は今の金融機関のサービスメニューは融資などのお金の預入や貸出だけではなく、ビジネス情報の発信やセミナーの開催、ビジネスマッチング、M&Aと多岐にわたります。これは金融機関側が本業を支援することで、融資先の事業の発展を後押しして地域経済の発展につなげたいという考え方によるものです。

 このような融資以外での利用価値の高いサービスが多く展開されています。詳しくは金融機関ごとのWEBサイトなどを確認してみてください。預金以外の経営課題などを気軽に窓口に相談してみることで、地域の営業担当窓口を紹介してもらえます。

借入相談の話し方

 担当者と話すときのポイントはただ一つ「隠し事なく話しましょう」ということです。中には「手の内を明かしたくない」「決算書は恥ずかしくて見せられない」と考える人もいるかもしれませんが、堅く考えずに、気軽に相談するようにすることが良いです。会社の計画に賛同して”お金”という資本を借りるのですから判断できるようにしっかりと材料を提供しましょう。様式や雛形などは銀行である程度準備しているものもありますので、必要書類も含めて相談することをお勧めします。

 会社側の最低限の準備書類として、決算書や事業計画書は書面で準備しておきましょう。月次試算表を作成しているのであれば直近のものを持参します。

 数値に関しては金融機関の担当者はプロですので、しっかり分析をしてもらえます。逆にビジネスプランは経営者側の方がプロですから事業の内容や市場の状況やその事業の今後の展開やその事業にたいする”熱量”などは経営者側がしっかりと自分の言葉で細かく説明するようにしましょう。

帳票はしっかりと作成、資金繰り表は必須

 スタートアップ企業の場合、帳票は二の次で仕事に一生懸命という場合が多いです。
 実はしっかりと簿記会計で会社の状況を把握しておかないと黒字だと思っていたら赤字だったとか、黒字なのに売上の入金がなくてお金が回らなくなった。なんてことが普通に起こります。起業したばかりで業績が安定しないときこそしっかりと帳簿をつけましょう。
 帳簿をつけることにより金融機関へは業務取引の状況を明らかにすることができます。「年に一回まとめて申告の時に作っている」のでは正確な判断ができませんし、判断するための時間がかかります。スムースに判断してもらうためには作成しておくことをお勧めします。

 同時期に起業した人の多くは月次試算表は作っていないはずです、周りに差をつけるなら「まだ良いかな」と思わずに作成すると良いです。

 帳簿をつけましょうと言いましたが、金融機関が重点的に確認するのは売り上げもそうですが、お金が回るのか。ということです。これを客観的に見られるようにした表が”資金繰り表”と言われるものです。資金繰り表は10年以上経っている中小企業でも作成している会社はあまり多くありませんが、起業した段階から作成しておくと、債権管理を徹底していることも理解できるので金融機関への信用度合いが高まります。

金融機関も取引先の一つ

 金融機関は敷居が高いイメージがありますが、借入をした場合、”利息”を支払うわけですから、私たちはお客さんでもあるわけで通常の商取引と同じです。
 良い条件の資金を欲しいタイミングで出してもらうためには、既存の取引先と同様に普段から情報を交換しながらお互いの信用を高めていくことが重要です。”金融機関だから”と肩肘を張らずに、取引先企業の一つぐらいの感覚で接することが重要です。

まとめ

 金融機関に限らず、関係性を深める為にはやはりそれなりの”時間”は必要です。自己資本で会社を大きくできればそれそれでいいのですが、やはり外部資本を借入して事業を拡大した方が、早く市場に出ることもできるので先行者利益も取りやすくなります。コロナの影響もあり社会変化が大きく早くなっている今だからこそ。金融機関との関係を強化し新たな事業展開を進めてみてはどうでしょうか。

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