嫌いな上司との”大人の”付き合い方

 子供の頃から憧れていた職業にせっかく就いたのに早々に退職してしまう人がいます。退職の理由の多くは「人間関係」であることが少なくありません。

 社会に出るということは、親から自立することです。就職まで学生で過ごしていた人は初めて親から離れた環境で社会に出ることになり、そこで初めて親から守られない社会という”世の中”に出るのです。

 社会には様々な人がいます。幼稚な人もいますし横柄な人もいます。様々な価値観を持った人と付き合っていく必要があるのです。そのような様々な人とはどの様に接するのが良いのでしょうか。

何が違う?”大人な”付き合い方のコツ

大人は感情を表に出さない

大人に見える人は「怒り」や「苛立ち」の感情をコントロールしています。感情がないわけではありません。”イラッ”っとする事があって感情が動いても、その感情の戻るスピードが普通の人よりも早いのです。

上司に対してムカつくことがあったとしても、怒りの感情のまま上司に対して「ハッキリと物事を言う」のは間違いです。

自分が怒りで行動すると上司には”自分の感情も抑えられない幼稚な人間”と見られてしまいます。

大人として見てもらうためには、怒りが起きても冷静になるように心がけましょう。上司には上司の言い分やその背景があるはずです。その事情までイメージして対応する様にしてみましょう。

大人は周りの空気を考える

会議などの場でどうしても納得が出来ないことが起きた時に、自分の怒りに任せて発言してしまうとその”場の空気”が一変してしまいます。

大人の人は大勢の中での自分の言動や周りに与える影響を認知しています。「メタ認知」と言われます。周囲から自分がどの様にみられているのかを客観的に判断できる能力を持っています。

自分の主張すべきところは主張し、周りを察して行動します。自分が周囲から浮いていないかを理解し、周りの意見を聞き取りまとめていくのです。

「自分が言いたいことは言ってやる」と言うことは間違いです。会議の中心は自分ではありません。

参加している全ての人が主役という心の余裕が必要です。

大人は人との違いを認める

学生などは自分と同じ年代の人と関わった経験が多く、違う年代と関わることがあまりありません。友人も同じ考えや価値観の人たちで固まっていることが多いので視野が狭いことを認識しましょう。

これからの時代はダイバーシティ、多様性を認める時代だと言われています

インターネットが普及したこともあり「人によって意見が違う」ことが認知されてきています。人それぞれに価値観があることは当たり前のことなのです。自分の考えは正しい、それ以外は間違っている。と考えるのは非常に短絡的で自分勝手な考えです。「みんな違ってみんな良い」のです。

上司のことが苦手に見えるのは、上司が自分勝手な意見を言っていると見えてしまっているからです。上司だってその意見を言わなければならない理由があるのです。この人とは相性が合わないな、くらいに考えておきましょう。

嫌いな上司に対しての”大人な”対応方法

対抗しない

 上司と部下の人間関係だとしても、相手と同じ土俵で向き合うことは辞めましょう。怒りに怒りで返しているということは同じ土俵になります。ツノとツノを突き合わせてもそこから建設的な意見は出てきません。

嫌いな人の話には反抗したくなりますし、正しい意見でも反論したくなります。ですが、嫌いな相手だからこそ、一度肯定して意見を自分で飲み込みましょう。周りからしてみるとあなたを広く意見を聞くことが出来る人としてみてもらえるようになります。

上司と自分とは違う人間です、相手との価値観の違いを理解し、なぜそのような価値観になったのかを想像してみましょう。

例えば、上司があなたと必要以上に責め立てるような言動があった場合には、「ここで叱っている様子を周りに見せておかないとならない」という他の理由があるからかもしれない、と考えることもできます。

上司のその行動の裏側にある、叱っている自分を出さないと保てない何か面子のようなものがあるのです。

もし面子を大切にする人なのであれば、今後は違う側面から面子を保ってあげれば良いのです。

無視をしない

 よく嫌いな人とは徹底して距離を取る人がいますが、そのような行動は自分の価値を下げてしまうことになります。特に上司である人に対して無視をしてしまうと「コミュニケーションが取れない人」と勘違いされてしまうことにもなるので、無視をすることは何もプラスに働くことがありません。

 最低限の日常の挨拶や情報の共有ぐらいの会話は自分からするようにしましょう。上司からしてみると部下から話しかけられるのは嬉しいものですし、仕事の状況について相談されて嫌がる上司はいません。仲良くなりすぎる必要はないので、適度な距離感を保ちながら会話する時間を持ちましょう。

陰口を言わない

 嫌いな人の悪口や陰口はついつい言ってしまうこともあるかもしれません。しかし陰口や悪口を言うことでプラスになることは何一つありません。誰かの評価を下げる為に悪口を言うことは自分の評判が悪くなります。誰しも悪口を言っている人と友達になりたいとは思いません。いつ自分の悪口を言われるかわかりませんからね。悪口を言うと自分の評価が下がります。

当たり前のことですが、ついつい怒りに任せて言ってしまいそうになる時がありますがそこを「グッ」と我慢して感情に流されないのが大人の対応です。

怒りや感情に任せる人は幼稚に見える

 自分の思い通りにいかない事に対して、声を荒げることをする人は”声を荒げること”で解決出来ると考えています。自分の両親や家族の前であれば、声を荒げたり機嫌を悪くしたりすることで周りが気を遣って機嫌をとってくれることもあると思います。ですが世の中では、誰かが声を荒げたり不貞腐れたりしていても機嫌を取ってくれる人はいません。怒りを表に出す人はこんな当たり前のことが理解できていないのです。そんな人を誰が尊敬するでしょうか。

 大人は世の中が理不尽であることを理解しています。社会に出たら年代や性別はもちろん価値観や育ってきた環境もバラバラの人達が集まっているのですから、その場その場で考え方が違って当然なのです。

大人の対応を身につけるための方法

・人の話を最後まで聞く力をつけましょう

・自分の弱みを理解し認めましょう

・行動する前に考えましょう

 年齢的に大人の人の中でも、しっかりと人の話を聞くことができ、自分の弱みを認めることができている人は実はそんなに多くいません。

大人な対応を身につける為に、まずは自分が話す前に聞く力をつけるようにしましょう。自分の意見を挟まずにしっかりと人の話を聞く為には、自分を見つめ直す必要があります。自分の弱みも見つけましょう。

そして、勢いだけで行動したり話をしたりするのは辞めましょう。中学生や高校生であれば感情のままに話をしても周りの大人は大目に見てくれるのかもしれませんが、社会に出てからは大目に見てくれることはなく、「自分を抑えることができない感情的な人」と見られてしまいます。普段からこの3つのポイントを意識すると大人の対応を身につけることが出来るようになります。

まとめ

 職場で大人の対応を身につけることは、行動は自分と他の人との違いを理解して、その差を認め協調していくことができるようになると言うことです。

 一番大切なことは常に「感謝」を忘れないと言うことです。「ありがとう」と言う一言が言えないと相手との協力関係は生まれません。

 上司が部下に対して「ありがとう」と伝えるのは当たり前ですが、部下も上司に対して「感謝」の気持ちを忘れてはいけません。

「ありがとう」と言葉に出して伝えることが大切です。

感謝をしっかりと伝えることが「大人の対応」の基本であり1番の重要なポイントなのではないでしょうか。

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