コロナ禍以前は対面での就業が当たり前で、コロナなんか起こらなければそのやり方を継続できていれば問題なんて何もなかったのかもしれません。でも今、実際に私たちは人との接点をできるだけ少なくする必要があります。コロナウイルスに感染する確率を減らすためにです。
これは逆に言うとコロナによって今までとは違う働き方を強制的に探さなくてはならない状況になりました。これを新たな挑戦と見るか、厄介事と見るかで未来が予想できます。
例えば、少し前にYoutubeが出始めた時は、多くの人がテレビには勝てないと言っていましたし、スマートフォンが出てきた時もそんなの流行らないとガラケーの人は言っていました。でも実際はYouTubeは視聴者を増やし、携帯電話もスマートフォンが主流になりました。
新しいものは”初め否定される”と言うのが世の流れの様です。
テレワークの普及
テレワークと言う言葉が広く普及して一年以上経ちますが、実際に業務をテレワークに移行して定着している企業は少ない様に感じます。
感染を広めないように人と人との接触を避ける、という目的のテレワークですが、知人の会社は感染者が出てテレワークに移行し、消毒が終わったらいつも通りの出社命令がでたそうです。私たちの国はどこまで「通常営業」を続けるのでしょう。
海外でのテレワーク状況
アメリカではテレワークしない会社からは社員が辞めていくことも多い様です。日本と違い、終身雇用ではなくて自分の仕事に対して給与をもらっているので企業に”執着しない”そうです。
テレワークの体制を整えるのは企業側の責任なので、感染防止体制が整えられないままの企業に我慢して働く必要が無い。と言うことなのでしょう。
日本では社員からテレワーク推進は言いにくい
一部上場企業のような”株主”がいる会社はテレワークを積極的に推進しています。これは株主へのアピール。というのが本音で、実は現場はまだ普通に出社して仕事をしているということも多いのではないでしょうか。
会社が「テレワークを推進する」と掲げていても、職場全体がテレワークに移行できるような環境整備が進んでいません。守秘義務の書類があったり、データが会社のPCから持ち出せなかったりと。整備が必要なことが多くあります。整備が進んでいる企業でも社員の中には、自分が率先して会社にテレワークを申し出たり推進するとコロナに神経質になりすぎている様に思われるのではないか。と思い気が引ける。ということもある様で、終身雇用制度が染み付いている日本人独特の感性とも言えます。
本音と建前
会社のBCPとしては、コロナウイルスの罹患者が発生した場合でも企業の活動を止めないように、一斉に在宅勤務ができる環境か、バックアップで会社で勤務ができる体制を整えておくべきだと思います。ですが企業側ではテレワークに移行したから売り上げが減少した、と言うことはあってはならないので、社員に目が届かないテレワークの実施は不安になります。多くの企業でテレワークへ踏み切れない原因はここにあるのではないでしょうか。
サボると思っている会社
”社員がサボってしまう”と考えてしまうことは普段から社員のことを見ていないので社員ごとの行動がわからないために起こります。この様に短絡的に考えてしまう企業は経営者層と管理者層がマネジメントをしっかりとしていないと言うことが原因です。
本来チームが機能していればオフィスにいようがテレワークだろうが、目標と成果物は変わりません。部下が目の前にいないと何をしているか意識できないのはマネジメントがしっかりと出来ていない表れです。
管理者教育が最重要
テレワークに移行するときに目標設定を多くする企業がありますが、社員の目から見たら、ガチガチに固められて監視をつけられているようで、会社に対しての信用度合いはガタ落ちです。お互いに信用するためには、ある程度の余白の時間は必要です。監視カメラなんかつけられたらそんな会社辞めちゃいます。
管理者がマネジメントをしっかりしていれば、何も問題ありません。野球でもサッカーでも選手は点を取るために一生懸命です。指揮系統がサボっているから点が入らないのです。
変化に対応しない会社は潰れる
テレワークやリモートワークの流れはコロナが明けても続いていくことが予想されます。
恐竜はなぜ絶滅したのでしょうか?それは地球の環境変化に対応できなかったからですよね。我々企業も同様に変化に柔軟に対応していくことが滅びないで継続していく秘訣です。
もしあなたの会社が頑なにテレワークを推進していない企業であったら、これから先に起きる変化についていけず、淘汰される企業になってしまう可能性があります。
厳しい考えかもしれませんが、コロナでも黒字の会社は多くあります。周りの責任に転嫁して自分を正当化するのは簡単ですが、こんなときだから冷静な判断が必要です。
今は終身雇用ではなくジョブ型雇用に変化しています。一つの会社に拘ってはいけないのかもしれません。コロナをチャンスに変えて生きていきたいですよね。
会社は「対面でなければ仕事ができない」と言う考え方はさっさと捨ててテレワークをはじめとする新しい取り組みを積極的に取り入れていく必要があります。これからの若者が入りたい会社は旧態依然の企業でしょうか?改革を進めていく企業でしょうか?
自分の感情は無視して相対的変化に柔軟に対応していくことが、会社も個人も生き残る秘訣なのかもしれません。
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