変化を好む人と変化を嫌う人

 春を迎え何かと身の回りが変化する人が多いのではないでしょうか。進学したり転勤したり転職したりなど身の回りの環境がガラッと変わる人が多い時期でもあります。

 日本人は欧米人と比較して変化を嫌うと言われています。これは高度経済成長や終身雇用制度が定着したことによりさらに変化を嫌う人種になったのではないかと言われています。

 実際に「転職」や「転勤」「転校」「引越し」などの変化のある行動について良いイメージがあまりありません。転職を繰り返す人は「会社に馴染めない人」「能力が低い人」だと考えられることが多いですし。実際に転職の際は履歴書の勤務履歴が長い方が評価されたりします。引っ越しが多い人も農耕民族である日本人からしたら「周囲に馴染めない人」などと考えられることが多いため、変化することに対してマイナスのイメージを持つことが多いのです。私自身もあんまり変化することが得意な方では無いかもしれません。でもなんで変化を嫌うんでしょう。

なぜ変化を嫌うのか

 人間は基本的に命を守る必要があるので、デフォルトで変化を好まないように設定されているようです。今の場所で平穏無事に生きているのであれば場所を変えない限り、死ぬことはないしご飯が食べられなくなる可能性がとても少ないことを経験として知っているので、変化することを”危険なこと”だと感じるようにできています。

 さらに日本だと「石の上にも三年」「初志貫徹」のようなことわざにもあるように、辛いようなことでも継続して努力し続けることは素晴らしいことです、努力は報われますよ。と言うことわざも多いので、幼少期より我慢は美徳と捉えるように教えられています。

 また働き方についても、終身雇用制度が当たり前だった頃の名残で転職は悪いことのように捉えられています。当時は転職すると自分のスキルや信用を0から積み上げないと給与が増えない仕組みだった会社が多いですし、実際に年に7%〜10%ぐらい給与が上がって行くので今の環境を捨てる人は、我慢の出来ない人と見られました。

そんな環境や経験から「変化する事=全てを捨てるよく無い事」のように捉えられるようになりました

変化を好む人の特徴

 学生であれば先輩を見れば数年後の自分をイメージできますし、会社であれば先輩や上司を見れば数年後、もしかして数十年後ぐらいまでの自分イメージできてしまいます。それをみて「よかった」「安心した」と思うのか「自分はもっと違うことがしたい」と感じるのかが大きな差です。なりたい自分像をはっきりと持っている場合で、このままではダメだ。と感じているのであれば、変化を選ぶ以外に道は無いわけですから、その環境からの変化を求めるようになります。

変化の好き嫌いどっちがいいの?

 「変化の好き嫌い」については、人それぞれ違うのでどちらが正しいと言うことはありません。
その人が求めているものが人生の安定であれば、安心して働ける環境に身を置くことが良いでしょうし、安定ではなく理想の自分を追い求めたいと考えるのであれば他の道の方が良いでしょう。

 例えば芸能人になりたい。と思っている人がサラリーマン生活をしていても芸能人になれることはありません。もし芸能人になるためにはオーディションを受けるとか、デモテープを送るとか、弟子入りするとか、学校では教えてもらえない方法を選択する必要があります。

 なりたい自分と言うゴールが明確になっていれば、なりたい自分に向っていくことが正解だと言えます。もしあなたの近くに将来なりたい自分に近い人が居るのであれば、その人から直接助言をもらう事をお勧めします。なったことが無い人の助言は意味がないので参考にすることはやめましょう。

変化が嫌いじゃなくなるためのヒント

 変化を嫌うのは変化はストレスだと感じることが原因です。逆に言えば変化をストレスに感じることがなければ変化を楽しむことができるようになります。知らない土地への転勤が嫌だと感じるならば、その土地に旅行に行ってみて地域の人や街並みの確認してくるとか、転職先に不安があるのであれば転職して先の5年に自分はどうなっているのかのイメージを具体的に膨らませて想像してみるとか、変化を受け入れた後の自分をイメージしてみると良いかもしれません。

 今に目を向けると変化に対しての不安は強くなります、少し先の自分へと目を向けることで、その不安を打ち消すことができるようになります。

変化が習慣になると変化とは感じなくなる

 人間は目先に変化があることには積極的です。お酒を飲んだから気持ち良くなりますし。タバコを吸ったら気分かスッキリするかもしれません。しかし体に良い行動だとは言い切れないこともあります。短期的な快楽や体に悪影響を与える習慣は簡単に身に付けることができます。対して体に良い影響を与える行動、ジョギングや筋トレなどのやった方が良いことは理解しているのだけれど簡単に習慣化できない行動もあります。変化することで自分にプラスになる行動は、身に付けることが難しく三日坊主で終わってしまいがちです。健康維持に良い行動や身に付けると自分のスキルになる習慣は一度だけでは身につかないことがほとんどです。

一回運動しただけでは痩せませんし、一度素振りしただけでホームランは打てません。繰返して行うことが重要になります。

習慣の積み重ねが2年後3年度の変化につながっていきます。変化は日々の行動の積み重ねの先にあるのです。

なりたい自分を見つけて行動を変える

 実は変化は1日で起こっていないことが多いです。物理的な引越しとか転勤は別として「なりたい自分」になるための変は日々の積み重ねでしかありません、毎日の行動を変えてそれを習慣化することで少しづつ自分が変化をしていきます。

 自分を変えて変化に対して良いイメージを持つことができると、いかなる変化にも柔軟に対応できるようになっていきます。

 変化の先にしか新しい出来事がないことがわかるためです。変化=ワクワクする事の図式ができてきます。

もしあなたが変化を受け入れにくい人であれば、こうなりたい人を見つける事をお勧めします。

「その人だったらこの状況でどう動くのだろう」と思って考えて行動することで、自分では選択しない結果を導くことができるようになります。

 大きな変化は小さな変化の積み重ねでしかありません。毎日小さな変化を続けて行くことで習慣化され、小さな変化は日常に変わって行くはずです。

変化を好む人は、実は「変化」を変化だと感じていない人なのではないでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました