続けたいのに、続かない。
運動、勉強、ブログ、資格の勉強。始めるときは「今度こそ続けよう」と思うのに、数日後にはやらなくなっている。
私自身、かなりサボりやすい人間です。習慣化も得意ではありません。気を抜くと、楽な方、面倒ではない方へ流れてしまいます。
だから私は、「毎日必ずやる」と決めるよりも、始めるための入口だけを作るようにしています。
ジムへ行かなければならないなら、運動する気がなくてもジムの入り口にだけ行ってみる。ブログなら、記事を書かなくていいからPCだけ開く。
入口だけ作ると、その先は案外なんとかなるものです。少し運動したり、一段落だけ書けたりします。
それでもできない日は、諦めます(笑)。自分にストレスをかけすぎて、人生そのものが楽しくなくなるのは本末転倒だからです。
この記事では、やる気に頼らず、続けるための入口を作る方法を紹介します。
シリーズ:40代の仕事を動かす行動心理学
続かないのは、意志が弱いからではない
続かないと、自分を責めたくなります。
「自分は意志が弱い」「また三日坊主だった」「ちゃんとできない」
でも、仕事が忙しい日、家族の予定がある日、体調がよくない日まで、毎日同じ力を出し続けるのは難しいものです。
40代は特に、仕事の責任や家庭での役割が重なりやすい時期です。やる気があるかどうかだけで、行動を決めてしまうと続きにくくなります。
私は「続けられない自分を変える」ことより、続けられない自分でも始められるように、最初のハードルを下げる方が現実的だと感じています。
運動なら「1時間トレーニングする」ではなく「ジムの前まで行く」。ブログなら「2,000字書く」ではなく「PCを開く」。勉強なら「1章終える」ではなく「参考書を机に置く」。
成果ではなく、入口を目標にします。
ジムの入り口まで行けば、それで成功
運動しなければと思っても、仕事が終わったあとにジムへ行くのは面倒です。
着替える。移動する。混んでいるかもしれない。運動したら疲れる。考え始めると、やらない理由はいくらでも出てきます。
そこで私は、「今日は運動をする」と決めるのではなく、「今日はジムの入り口まで行く」と決めるようにしています。
入り口に着いたら、そのまま帰ってもいいことにします。
実際には、そこまで行くと「せっかく来たから少しやろう」と思える日もあります。でも、それを期待しすぎないことが大切です。
入らずに帰ったとしても、入口まで行けたなら約束は守れています。次に行くときの心理的な壁が少し低くなれば、それで十分です。
PCを開くだけで、ブログは前に進む
ブログも同じです。
「今日は記事を書こう」と思うと、テーマを決めて、構成を考えて、画像を探して、本文を書いて、と急に仕事が大きくなります。
書き始める前に疲れてしまうのは、私だけではないと思います。
だから、ブログを書く日も「PCを開くだけでいい」と考えます。
PCを開いたあと、何も書かずに閉じる日があっても構いません。過去の記事を一つ読むだけでもいい。タイトル案を一行だけメモして終わりでもいい。
一方で、PCを開いたら気分が変わり、気づけば少し書けていることもあります。
大切なのは、書けた量ではありません。次回もPCを開きやすい状態を残すことです。
習慣は「毎日完璧に」ではなく、同じきっかけから始まる
習慣化というと、「何日続ければ習慣になるのか」が気になるかもしれません。
ただ、何日で習慣になるかは人や行動によって変わります。短期間で自動的にできるようになるとは限りません。
習慣に関する研究でも、同じ行動を同じ状況で繰り返すことが、自動的に行動する感覚の形成と関係することが示されています。
そこで役に立つのが、「いつ・どこで・何をするか」を先に決めることです。
仕事帰りに駅へ着いたら、ジムの前まで行く。
夕食後にコーヒーを入れたら、PCを開く。
朝、机に座ったら、参考書を1ページ開く。
このように、「もし○○したら、△△する」と決めておく考え方は、実行意図と呼ばれます。やる気が出るまで待つのではなく、普段の行動をきっかけに次の小さな行動をつなげます。
もちろん、毎回できなくても大丈夫です。できなかったことを「振り出しに戻った」と考えない方が、長く続きます。
できない日は、諦めてもいい
続けるために一番大切なのは、毎日途切れないことではないと思います。
できなかった日に、自分を責めすぎず、次の入口を残しておくことです。
疲れている日、仕事で嫌なことがあった日、家族との時間を優先したい日まで、「やらなければ」と自分を追い込むと、習慣そのものが嫌いになります。
私は、入口まで行けなかった日も、PCを開けなかった日も、諦めるようにしています。
諦めるというのは、永遠にやめるという意味ではありません。
今日はやめる。次に入口を作れる日に、また始める。
そう決めることです。
続かなかった日があっても、次の一回がなくなるわけではありません。休んだ次の日に、またPCを開けばいい。ジムの前まで行けばいい。
自分に厳しくしすぎない方が、結果的に長く関わり続けられることがあります。
入口を作る5つの工夫
1.目標ではなく、最初の動作を決める
「英語を話せるようになる」「ブログを育てる」では、今日何をすればよいか分かりません。「英語アプリを開く」「PCを開く」まで小さくします。
2.すでにある習慣につなげる
歯を磨いたあと、電車を降りたあと、夕食後、出勤して机に座ったあと。毎日すでにしている行動の直後に、入口を置きます。
3.準備を前日に終えておく
運動着をバッグに入れる。読みたい本を机に置く。PCを充電しておく。始める直前の面倒を減らすほど、入口に入りやすくなります。
4.途中でやめても成功にする
ジムの入り口まで行った。PCを開いた。参考書を一ページ見た。それだけで、その日の約束は達成です。続きができたら、もうけものくらいに考えます。
5.次の入口をメモして終える
ブログなら「次は見出しだけ書く」、勉強なら「次はこのページから読む」と残します。次に再開するとき、「何をしよう」と考える時間を減らせます。
明日は、入口だけを予定に入れる
明日から完璧な習慣を作る必要はありません。
続けたいことを一つ決めたら、手帳やスマホのメモに、次の形で書いてみてください。
[いつものきっかけ]をしたら、[入口になる小さな行動]をする。できなければ、今日は諦めていい。
たとえば、「夕食後にコーヒーを入れたら、PCを開く。書けなければ今日は閉じていい」です。
これは、頑張るための予定ではありません。続けたいことを、人生の負担にしないための予定です。
先延ばししやすい方は、まず「始める」よりさらに手前の行動を作ると、動きやすくなります。
まとめ
続かない自分を、意志が弱いと責めなくて大丈夫です。
- ジムなら、入り口まで行く
- ブログなら、PCを開く
- 勉強なら、参考書を机に置く
- いつもの行動の直後に、入口を置く
- できない日は、また次回やればいい
続けるとは、毎日立派な成果を出すことではありません。
何度か止まりながらも、また入口に戻ってこられることです。
自分にストレスをかけすぎず、人生を楽しみながら続けていきましょう。
参考資料
- Lally, P. ほか(2010)How Are Habits Formed: Modelling Habit Formation in the Real World
- Gollwitzer, P. M. & Sheeran, P.(2006)Implementation Intentions and Goal Achievement
「40代の仕事を動かす行動心理学」シリーズ
- 第1回:やった方がいいのに動けない40代へ|明日の自分を変える5つの工夫
- 第2回:嫌な仕事ほど先延ばししてしまう40代へ|手帳に預けて頭を自由にする方法
- 第3回:失敗が怖くて動けない40代へ|成功より「小さく試す」を選ぶ方法
- 第4回:選択肢が多すぎて動けない40代へ|「楽しい方」を選ぶ5つの工夫
- 第5回:続けられない40代へ|やる気がなくても続く「入口」の作り方(この記事)
